紅の豚 [DVD]の商品紹介
1920年代のイタリア、アドリア海には空賊相手の賞金稼ぎをしている豚がいた。「飛ばねぇ豚はただの豚だ」とのたまう彼の名はポルコ・ロッソ。紅の翼の飛行艇を乗りこなすこの豚の活躍を小気味よく描いた航空活劇である。
『となりのトトロ』などを手がけた宮崎駿監督作品だが、一連の宮崎作品に比べるとカジュアルで軽快な出来に仕上がっているのが特徴。中年男(いや、豚)が主人公というのもめずらしい。歌手の加藤登紀子が主題歌のみならず声優として参加したことでも話題になった。
荒々しくもいとおしい飛行艇乗りたちの姿や、クライマックスの空上の対決シーンなど世代を越えて楽しめることは間違いないが、豚なのに、いや豚だからこそ自由に生きるポルコを見れば、「飛ぶこと」を忘れてしまった大人ほど感じるところは多いかもしれない。(安川正吾)
紅の豚 [DVD]のレビュー
格好良過ぎ、、、、でも、憎めないポルコ
紅の豚は、10年以上前に、初めて見て以来、我が家のお気に入りのひとつです。豚になってしまったポルコの活躍は、何度見ても、楽しく見ることが出来ます。時折、考えさせられますが、でも、良い内容だと子供達にも推奨できますね。
改めて大人向宮崎作品の魅力を知る
もともと観ていたけども。子どもが出来て順繰りに宮崎作品を観ていく過程で魔女の宅急便の次に飛行機好きの長男へこの作品を購入、しかしなにがなにが夫と私が思いっきり楽しんでしまった。まったく宮崎さんはすごいなー。これは宮崎さんも好きで作ったんだろうなと思われるようなキャラクターの個性の肉付けを感じる1本だ。
余韻に満ちている。
紅の豚。
この映画の何が良いのでしょうか。
まず、映画全体の基盤に何ともいえない、登場人物それぞれの悲しみがある。
そして、基本的に大人しか出て来ません。
大人の話なんだと思います。
悲しみと、それを基盤とした希望。
いや、希望、っていう、ノー天気な言葉じゃないなあ。
切望か、未来への。
悲しんでてもしょうがねえじゃねえか、っていう、諦観。
いや、諦観でもない。
人間の持つ感情を取っぱらってしまうほど美しいアドリア海の青さ。
海が青いんだからいいじゃねえか。
空が青いんだからいいじゃねえか、っていう感じ。
悩んでてても、悲しんでてもしょうがねえよ、っていう。
なんか、悲しみすら、別れすら、そんなものがあっても、だからこそ空は青い、的な。
何を言ってるのかわからなくなってきましたね。
フィヨが初めて飛行艇に乗って、眼下に広がる景色をみて言います。
「きれい。世界って本当にきれい。」
世界って、きれいなんでしょう。
見る人によっては。
誰が世界を見るか。
世界を見てどう感じるか。
それはその人次第です。
貧しくても、悲しくても、寂しくても、「世界はキレイ。」なんです。
多分。
この映画には常に余韻が漂っている。
悲しみの余韻。
寂しさの余韻。
希望の余韻。
美しさの余韻。
その余韻に、人生の美しさを感じる。
そして、何より、絵と、音楽が美しい。
最後に流れる加藤登紀子の「時には昔の話を」。
そして、飛行機雲の絵。
郷愁を感じます。
想像できる範囲の郷愁と、経験したことのない、未知であるにも関わらず心動かされる郷愁。
悲しみと、もはや還らない郷愁。ロマンと、冒険。
そして何より、悲劇でもない、喜劇でもない結末。
ラストシーンをどう捉えるかは、観た人の想像力と自由に委ねられている。
多分、それが、私が好きな理由です。
何で豚にならなければならない?
どうして豚になってしまったのか?という疑問が
どうしても頭から離れなくて、最初に見た時には
どうも面白いとは思えない作品だっだ。
しかし、そんな謎解きを放棄して再見したら、
大いに楽しむことができた。
【以下ネタばれ】
特に好きなシーンは二つ。
一つ目は、厚い雲の向こうに抜けたとたん
無数の飛行機が現れ、それらが皆、空で戦死した者たちである
というところ。ポルコはその中に親友を発見するが
他の者たちと同様、無言のまま飛行機の操縦を続けて天高く
上っていってしまうシーン。
なんだか怪談話のような背筋の寒さと、
美しい映像のコンビネーションが圧巻!
二つ目は、ポルコが発注した飛行機が組み立てられる町工場のシーン。
町中から女たちが集結し一機の飛行機を組み立てていく。
現在日本では、オートメーションでどんどん出来上がってしまう自動車の
売り先がなくて、大不況に陥っている。
生産調整をするとか、人件費の安い海外に生産拠点を移すか・・・なんて
議論をしているが・・・・・
本来の物づくりとは、「必要な分だけつくる」というものなんだろう。
町工場に集まった女たちは、普段は農業などに従事しているのだろうか?
こんな風に自動車が組み立てられるのであれば、きっと出来上がる自動車は
魅力的なんだろうな。
二十世紀〈上〉 (ちくま文庫)
疲れたときにみる作品
ほんとうに疲れたときは、何度もみている映画をみる、と言った人がいる。
まったくそのとおりで、わたしにとって『紅の豚』はそういう映画のうちのひとつである。
時間もみじかくてちょうどよい。
CGを駆使した航空機映画は、画面がざらつく感じがして落ちつかないが、
この作品はその対極にある。
みていて心地よくなってくる映画は意外とすくない。
映画にはメッセージがなければいけないと称して、意味ありげな台詞を
ちりばめた作品が多いが、歳のせいか、そういう映画はみていて疲れる。
ぼんやりとみることができ、そのくせ細部はつくりこまれている映画が好きである。
宮崎作品のなかでは評価がひくいようだが、逆に『紅の豚』にしか興味が
ないという人も多いだろう。